国宝 浄土堂および阿弥陀三尊立像(快慶)
浄土堂は三尊の背面が蔀戸になっており、
西陽が差し込みます。
よく夕陽に照らされてとご周知の方が多いですが、
実は高めの西陽の頃に鋭角的に射した光が三尊の
背面床板に当たり、その反射光が堂内の化粧屋根裏
に当たり、また三尊の尊顔なども仄かに赤みを帯びた
様に照らされます。
仏教に重々帝綱という言葉がありますが、
様々なところがお互いに照らし合い、清く美しさ
が増して行く様です。
これは人の世にもそのまま当てはまり、
お互いに足の引っ張り合いなどをせず、
互いに良きところを見つけあり、足らぬところは助け合い
補い合うことで、より良い世の中が成されていく。
仏教のみ教えは、他を害することなく寛容です。
信心の自由はさて置き、そのようなみ教えを基に造顕された
仏様や仏堂に訪れて身を置かれ、そのような何かを感じで
お帰りいただけましたら、寺を護持する者としても幸甚の
至りに存じ上げます。
合掌
※陽の当たり具合は刻々と変わりますが、
春から秋にかけては15時〜17時頃までの間に
入りはじめピークを過ぎていきます。
当然、陽の光が差している天気の良い時に限ります。
また、10月からは拝観時間が冬季時間に変わり、
16時閉堂になりますのでご留意くださいますよう、
お願い申し上げます。